今期を振り返った時に、思い出深いトピックをあげるとするなら、この単語だろう。
「エクスプローラー200」
このエクスプローラー200、その実態はただのゴムボート。
しかも、メーカー指定の使用範囲はプール限定。
このゴムボートを釣り、しかも源流の釣りに絡めようと思う人はおそらく皆無ではないかと思う。
きっかけはほぼ一年前にさかのぼる。
前シーズンの9月前半のこと、Jさんとふたりで日本海側の某渓流へ向かった。
ダムの管理敷地からダム湖沿いの林道を歩き、途中から山へ入る。
その後、尾根を一つ越えて入渓、というアプローチの目論見だった。
前日の夜から弱い雨が降っていて、その雨は翌朝もずっと降っていた。
林道は途中、舗装路からただの山道へと変わり、ぐちゃぐちゃの状態。
泥の道をなんとか登るが、ダムから続く送電線の鉄塔までは比較的歩きやすかった。
が、その鉄塔から先で、道がプツリと途絶えた。
鉄塔の管理道なので当たり前と言えば当たり前だけど、その先に目的地がある自分たちは進まなければいけない。
鉄塔のまわりをを見回すと、藪を鉈ではらったようなあとがいくつかあるので、ひとつずつ進めるかどうか確かめる。
が、どれも途中で踏み跡かどうか分からなくなっている。
林道を戻ったとしても、他の林道はない。
なんとなく一番はっきりしていて進めそうな藪の中に突っ込んだ。
もちろん、現在地を確認して。
藪はそのあといくつかの絶壁に突き当たり、その都度方向転換しながらじりじりと進む。
もう、踏み跡ですらなかった。
途中でチェーンスパイクの片方がなくなっていた。
1時間ほどで、先を進むJさんから「降りたよー」という声がする。
藪の隙間から、河原に降りたJさんが手拭いで顔を洗っているのが見えた。
あと少しかー、と数歩足を進めた瞬間。
足元の草地がべろっと剥がれ、両足ごと滑り落ちた。
途中でチェーンスパイクの片方がなくなっていた。
1時間ほどで、先を進むJさんから「降りたよー」という声がする。
藪の隙間から、河原に降りたJさんが手拭いで顔を洗っているのが見えた。
あと少しかー、と数歩足を進めた瞬間。
足元の草地がべろっと剥がれ、両足ごと滑り落ちた。
草地の下はスラブになっていた。
必死につかまるところを探して落下を止めようとするがどの枝や草も落下を止める支点にはならない。(落下途中、ウドのいい香りがした)
気づいた時には体がそのままの体勢で地面に打ちつけられていた。
約6メートルの滑落だった。
体ひとつだけだったらおそらく骨折の一つや二つしていたかもしれないが背負っていたザックから落ちたおかげで不思議とけがはなかった。
そのかわり、体中泥にまみれていたので、近くにある小さな滝で全身を洗い、一息ついた。
Jさんに何度か気遣いの声を掛けてもらったが、「大丈夫っす」しか答えられなかったと思う。
その後は特にトラブルもなく、しかも釣りの間だけ雨も止んで、とてもいい釣りができた。
おそらく、シーズン通しても1~2組しか入らないと思われるその渓で、Jさんは尺2寸の岩魚をあげた。
翌日、雨は止まずむしろ雨脚は強くなっていたため、釣りはせずに帰ることにした。
またあの尾根を越えるのかと思うと、憂鬱で仕方がなかった。
おそらくJさんも同じ気持ちだったと思う。
昨日の降り口(落ち口)を通り越してその先へ進むと、 河原はダム湖にぶつかる。
ダム湖沿いをトラバースできるような傾斜はなく、やはり戻って尾根に取りつくしかないようだった。
目を上げると、ダム湖の対岸が見える。その距離150mほど。
空身だったら、泳いでもたいして時間のかからない距離だろう。。
「船があればねー」と話したことは覚えている。
帰りは別の尾根筋を見つけて、行きよりも短時間で鉄塔まで着くことができた。
踏み跡はあるような、ないような。。。
帰りの高速で、運転をするJさんから「なんかさー、軽くて安いボートってないの?」と質問がでた。
必死につかまるところを探して落下を止めようとするがどの枝や草も落下を止める支点にはならない。(落下途中、ウドのいい香りがした)
気づいた時には体がそのままの体勢で地面に打ちつけられていた。
約6メートルの滑落だった。
体ひとつだけだったらおそらく骨折の一つや二つしていたかもしれないが背負っていたザックから落ちたおかげで不思議とけがはなかった。
そのかわり、体中泥にまみれていたので、近くにある小さな滝で全身を洗い、一息ついた。
Jさんに何度か気遣いの声を掛けてもらったが、「大丈夫っす」しか答えられなかったと思う。
その後は特にトラブルもなく、しかも釣りの間だけ雨も止んで、とてもいい釣りができた。
おそらく、シーズン通しても1~2組しか入らないと思われるその渓で、Jさんは尺2寸の岩魚をあげた。
翌日、雨は止まずむしろ雨脚は強くなっていたため、釣りはせずに帰ることにした。
またあの尾根を越えるのかと思うと、憂鬱で仕方がなかった。
おそらくJさんも同じ気持ちだったと思う。
昨日の降り口(落ち口)を通り越してその先へ進むと、 河原はダム湖にぶつかる。
ダム湖沿いをトラバースできるような傾斜はなく、やはり戻って尾根に取りつくしかないようだった。
目を上げると、ダム湖の対岸が見える。その距離150mほど。
空身だったら、泳いでもたいして時間のかからない距離だろう。。
「船があればねー」と話したことは覚えている。
帰りは別の尾根筋を見つけて、行きよりも短時間で鉄塔まで着くことができた。
踏み跡はあるような、ないような。。。
帰りの高速で、運転をするJさんから「なんかさー、軽くて安いボートってないの?」と質問がでた。
とっさに思いついたのは「パックラフト」と呼ばれる一連のULスタイル(?)のゴムボート。
だがとても高価なようだ。
なんとなく思い付きでアマゾンを検索してみると、出てきたのが「エクスプローラー200」だった。
重さはオールを加えても2キロちょい。担げる重量だ。
そして何よりも魅力なのがその価格。割り引かれて2500円ほど。
もう、これしかないという確信でJさんに見せると、一言。
なんとなく思い付きでアマゾンを検索してみると、出てきたのが「エクスプローラー200」だった。
重さはオールを加えても2キロちょい。担げる重量だ。
そして何よりも魅力なのがその価格。割り引かれて2500円ほど。
もう、これしかないという確信でJさんに見せると、一言。
「これいいじゃん!」
プロローグがあまりにも長くなったが、こうして発見(w)したエクスプローラー200を携えて、同じ渓へ行ってきた。
今回は前日の夜から最終日までずっと快晴。
昨年と同じ場所に駐車して、屋根のある軒先で宴会し一晩過ごした。
メンバーはJさんと自分に加えて、Nさんが早速エクスプローラーを購入し参戦となった。
前回同様、敷地内の林道をテクテク歩く。
時間にして2時間弱で目的地の対岸に着いた。
今回の荷物(ウドの葉を添えて)
ザックからペタンコのエクスプローラーを引っ張り出して膨らませることにする。
これが炎天下では意外と重労働。
おおよそ15分~20分かけてパンパンになるまで膨らませた。
ちなみに、エクスプローラーを購入するとその中にはボート本体に加えて、オールが一対と「シュコシュコ」と仲間内で呼ばれる手動の空気入れが付いてくる。
自分は終始このシュコシュコで膨らませたが、Jさんは途中まで口を使ったほうが早い、とのこと。
また、エクスプローラー自体はただのゴムボートのため、もしもの時のためにライフジャケットは必携。今回はそれに加え、空気枕も膨らませて乗せた。
3艘ともパンパンになったところで記念撮影。
荷物を載せてそろそろと自分も乗ってみる。
グッとボートに重心が入って沈む。一瞬の不安。でも、大丈夫そう。
オールを2本使って漕ぎ始める。
決して早くはないけど着実に目的地へ進んでいる。ものすごい高揚感だった。
もう、これだけで十分に楽しかった。
前回のつらいアプローチを思い出して、一人で悦に入る。
15分ほどで対岸にたどり着いた。
足が付く浅瀬までこいでボートから降りる。この時体勢を崩すとひっくり返るので十分に注意が必要。(ひっくりかえってはいません)
ズルズルとボートを引き歩いて、適当な台地の枯れ木に縛り付けてデポした。
よほど増水しない限り湖面に持っていかれることはないだろう。
それからは前回同様、本流筋を延々と詰めて釣り歩いた。
天気も良かったし、ここぞというポイントにはいい型の岩魚が入っていた。
お昼に食べた沢そうめん、最高。
最高にいい気分で酔っ払って、そのままゴロンと寝てしまった。
これがいけなかった。
寝ている途中で一応、寝支度をしてシュラフに入ったのは覚えているが、どの時点かは覚えていない。
気が付くと周りは明るくなってる。と同時に、顔が猛烈に痒い。
目を開けると、周りに数十匹のやぶ蚊が飛んでいた。
隣を見ると、Nさんも起きてボリボリと背中をかいている。
見るとシャツとズボンの間が少しだけめくれてそこだけボコボコに腫れていた。
おそらく、自分の顔も同じ状態なのだろう。
あとでざっと数えただけでも頭部と両手を100か所以上刺されていた。。。
一方、風下で寝ていたJさんはほとんど刺されなかったという。
焚火の煙が虫よけになっていたのだろう。
自分とNさんは風上に陣取って煙を浴びずにいたせいもあり、散々な目にあった。
気を取り直して朝ごはんをがっちり食べてテン場を撤収し湖面に向かった。
昨日、湖面のまわりを歩いているときにNさんが大きなライズを見かけていた。
これはデカ岩魚に違いない!ということで初めての湖面フライフィッシングをすることに。
小一時間ほど竿を振ったけど、案の定釣れず。
気持ちは、最高によかった。
気持ちは、最高によかった。